HOME > コラム・不動産鑑定評価をもっと良く知るために > 不動産鑑定評価の基礎知識と特徴 > 共同ビルの建築の時に不動産鑑定評価をして権利調整する

共同ビルの建築の時に不動産鑑定評価をして権利調整する

● 不動産の鑑定評価とは 共同ビル事業は、複数の個人もしくは企業が手持ちの不動産を提供し、
共同ビルを建設して運営を行っています。
共同ビル事業では、各々が提供した不動産に応じた権利調整を行い、
不動産毎にそれに見合う権利を取得できるようにしないといけません。
その為には、貢献度に応じて価値を判断する必要があり、
客観的で公平な価値判断を行う不動産鑑定評価が役に立ちます。
不動産鑑定評価とは、鑑定の専門家である不動産鑑定士などによって、
不動産の経済価値を判定し、これを価格に表示することです。
具体的には、地域分析や個別分析などをし、
その不動産の最も適用した鑑定評価手法で鑑定した内容に対して、専門的な判断を加味し、
不動産鑑定評価額を決定します。
法律に基づいて詳細な調査と高度な要因分析を行って作成し、
適正な価値を証明するものとして有力な立証資料となり、
国家資格者として不動産鑑定士のみが唯一行える独占業務です。
このため不動産鑑定評価書の作成には、依頼を受けてから数週間かかり、
それなりの評価報酬が必要になります。

● 鑑定評価と価格査定の違い 不動産鑑定士が行う鑑定評価には、法律によって客観性が付加され、
対外的に通用する高い公的証明能力があります。
不動産鑑定士が署名・押印した不動産鑑定評価書は、重要な意味を持つと同時に、
高度な専門性が要求され、評価額に対して法的な責任を負うことになります。
また法律に準拠すべきことが義務づけられているので、一定の要件を満たす必要もあります。
それに対して、不動産業者などが行う価格査定は、
依頼者の売却価格を決める際に意見として提示するもので、あくまでも参考価格であり、
査定した価格に対して法的な責任はありません。
そのため調査方法も業者によって違いがあり、内容や精度もバラバラです。
このように目的や分析方法や責任の重さなど、さまざまな違いがあり、
実質的には全く異なるものと言えます。
共同ビル建設の場合は特に権利関係が複雑になります。
のちのち無用なトラブルを防ぐためにも、
客観的かつ公平な評価をもとに権利調整をしていく必要があります。