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相続した土地を現物分割する際の、不動産鑑定評価の重要性

● 悩ましい土地の相続問題 悩ましい土地の相続問題

トラブルが起きやすい相続問題の中でも、話し合いだけでは簡単に解決ができないのが、土地の相続です。
土地や建物の権利関係を公示する不動産登記制度では、連なっている土地の地表を区画し、一個の土地として登記するものです。
故人が所有していた土地が一個の土地として登記されている場合に土地を現物分割するとき、最終的には面積を相続人の数で分割します。
しかし、土地の場合は道路に接していたり、方角や位置によってその土地の価値が大きく異なってくるため、単純に面積を同等に分けたのでは平等になりません。
また、建物の場合は土地と同じように分割すると、各部屋を割り当てる形になるため、現実的ではありませんし、結果的には建物を全員で共有することになってしまいます。
共有しておくというケースも少なくありませんが、共有のままだと、土地を使用する際には持分の割合に応じなければならず、処分には共有者全員の同意が必要なため、後々トラブルを招かないためにも、なるべく遺産分割の際に解決しておくことをおすすめします。

● 土地相続は遺産分割協議のタイミングで解決を 土地相続は遺産分割協議のタイミングで解決を

土地を代償分割する際は、より評価が行いやすく、算定根拠も明確になる遺産分割時のタイミングがおすすめです。
しかし気をつけなければいけないのは、地価が変動すること、また土地を取得するのか、代償金を支払うのか、相続開始時なのか、分割時なのか、評価する根拠はどのようなものかなどによって、利害損失が異なることです。
簡単な話し合いでは解決が難しい土地の現物分割は、第三者である不動産鑑定評価を参考に、平等に分割するのが得策といえます。
不動産として売却し、得た対価を平等に割る方法もありますが、遺産分割時に一気に解決できるメリットがある反面、売却すると譲渡所得税がかかることや、相続開始時から通常3年以内に売却したかどうかで取得費用が変わることも覚えておく必要があります。
相続人間で利害損失やトラブルを招かないためにも、なるべく早い段階で不動産鑑定の専門家に相談しましょう。