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相続時の不動産鑑定評価における路線価

● 実勢価格と不動産鑑定評価の違い 実勢価格と不動産鑑定評価の違い
不動産の価値には、いろいろなものがあります。
概念的にもあいまいな部分を残しているのは、合理的な市場が形成されていないからです。
流通機構が形成されにくく、当事者間の取引に依存されることが多いため、利害関係や縁故関係がそのまま影響してきます。
この価格は、適正なものであるとは限りません。
実勢価格とは、非常にあいまいなもので、特殊な事情が絡んでくるからです。
あまりに実勢価格には幅があることから、不動産鑑定士がおこなう不動産鑑定評価は評価額として大きな意味が出てくるようになるでしょう。
客観的な評価額になる不動産鑑定評価は、売り手にも買い手にも影響されません。
客観的な価値なのであり、さまざまな方向から検証されて割り出されていくところが特徴です。
収益性といったことも検証されるため、実勢価格よりも適切な評価額になってくるでしょう。
これが相続に影響を与えるのも当然のことです。

● 相続に大きな影響を与える路線価の評価額 相続に大きな影響を与える路線価の評価額
公的な土地価格ということでは路線価があります。
相続税の課税価格の算定に関わりますが、納税者が時価を把握するのは難しいでしょう。
そこで、相続者の公平性を図るために使われるのが路線価です。
さまざまな情報から路線価は判断されていきますが、不動産鑑定評価もそのひとつになります。
総合的に評価をしていくことになりますが、路線価は公示価格水準の80%になることが一般的です。
この路線価が上昇することになると、相続時には大きな影響を与えることになるでしょう。
基礎控除が引き下げられた現状を考えると、路線価が上昇することによって、基礎控除を超えてしまう可能性が出てきます。
ただし、路線価が判断できるのは、名称からも道路に接している土地の価格でしかありません。
いざ相続の段階で困ったことになる場合も出てくるため、実勢価格だけではなく、不動産鑑定評価からも評価額を把握しておくことも必要です。