概括
平成22年7月以降の一年間の地価は、全国的に依然として下落を示したが、下落率は縮小し、上昇・横ばいの地点も増加した。
地価公示との共通地点で半年毎の地価を見ると、東日本大震災のあった平成23年1〜6月は、全国で下落率がやや拡大した。東京圏及び名古屋圏は下落率が拡大し、大阪圏は縮小した。
【住宅地】
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東日本大震災以前の住宅地の地価動向は、低金利や住宅ローン減税等の施策等により住宅需要が堅調で、下落率の縮小傾向を示す地域が多かった。
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震災後、東京圏は弱い動きを見せており、名古屋圏もやや弱い動きとなっている。一方、大阪圏では、住環境が良好で交通利便性の高い住宅地において需要が底堅く、下落率が縮小した。
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地方圏では、人口減少等の構造的な要因により全体としては下落が継続している。
【商業地】
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オフィス系の商業地は、空室率の高止まり・賃料下落等により下落を示し、店舗系の商業地は、震災後の売上げ減少等もあって下落を示した。
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東京都心部では、オフィスの賃料調整(値下げ)が進んだこともあって、コスト削減目的の事務所再編のための移転や災害時の対応性の高いビルへの移転等の動きにより空室率が改善したエリアが見られ、これらエリアにおいては下落率が縮小した。また、大阪圏、名古屋圏等において、利便性が高く高度利用が可能な商業地でマンション用地を取得する動きが見られた。
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地方圏では、人口減少等に伴う需要減、中心市街地の衰退等により全体としては下落が継続しているが、九州新幹線の全線開業等の効果が見られる地域において地価上昇の動きが現れた。
【東日本大震災の被災地】
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岩手県、宮城県及び福島県においては、86地点(全国の調査地点数の0.4%)で調査を休止した。
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岩手県、宮城県及び福島県では全体的に地価が下落した。福島県では住宅地、商業地とも下落率がやや拡大している。
概括
平成20年秋のリーマン・ショック以降、地価の下落が継続する中で、初めて東京圏、大阪圏、名古屋圏及び地方圏そろって下落率が縮小し、経済状況の不透明感は残るものの、下落基調からの転換の動きが見られた。この動きは、地方圏よりも大都市圏で、また、商業地よりも住宅地において顕著であるが、商業地においても地価の下落率が縮小し、住宅地の下落率と大差のない状況に近づいている。
【住宅地】
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住宅ローン減税・低金利・贈与税非課税枠拡大等の政策効果や住宅の値頃感の醸成により、住宅地への需要が高まり、住宅地の地価は下落基調からの転換の動きが見られた。
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大都市圏においては、マンション販売の回復傾向が顕著であり、特に都心部では、マンションの素地取得が活発になっている地域も見られ、開発余力の高い地域では地価上昇につながっている。また、人気の高い住宅地を中心に、値頃感の醸成された地域において、戸建住宅等についての根強い需要から、面的に上昇や横ばい地点が現れたエリアも見られる。
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地方圏においても、選好性の高い住宅地等における需要の顕在化や、医療や福祉などを重視したまちづくり、交通インフラや基盤整備の効果等により、地価下落に歯止めがかかった地域も散見されるものの、人口減少等の構造的な要因により、波及の程度は弱い。
【商業地】
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都市部を中心にオフィス賃貸市場の賃料調整、企業収益の回復、資金調達環境の好転、リート株の回復等を背景に、国内外からの投資も見られたこと等から、地価の下落幅が大幅に縮小した地域が見られるようになった。
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経済状況の不透明感も残り、オフィスエリア全般では依然空室率が高止まりの傾向であるが、大型・築浅ビルへの集約移転等により、優良物件が競争力を向上させ、需要が顕在化するケースも見られる。
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都市部の一部の地域では、高度利用のできる商業地域にマンションが立地する傾向が見られ、マンション販売の好調を反映して、地価の上昇につながるケースも見られる。
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地方圏においても、下落率の縮小傾向が見られ、特に、鉄道の開業・延伸に関連する地域等における地価上昇の動きも散見されるが、依然低調な賃貸市場、人口減少等に伴う需要減、地域のキーテナントの撤退、郊外の大型店による中心市街地の衰退等により、下落幅の縮小度合いは小さい。
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都市、地方を通じて言えることであるが、オフィス系、店舗系とも、立地、規模等による二極化傾向や個別化傾向が強まっている。