同族会社間における不動産売買時の注意点

同族会社間等で不動産売買を行う場合、税金が追徴されることがよくあります。当社では、不動産鑑定士の立場からそのような売買における注意点を明示し、さらにサポートいたします。

会社とその役員間における不動産売買の取引価格は時価によることとされており、著しく安く(又は高く)売買された場合は経済的な利益供与(法人税法通達9-2-9)があったものとみなされ、課税当局から追徴されることがあります。また、地価公示価格等を参考として売買したものの土地価格の急変や不動産自体の瑕疵に気がつかず、不相当な価格で売買してしまうこともあります。
同族会社間等における不動産売買は、一般に取引価格に恣意性があると見られやすいので、税務対策だけではなく株主等の利害関係者に対する価格証明としても不動産鑑定士の鑑定評価を取ることをお勧めいたします。

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同族会社に対する考え方

同族会社とは、特定の親族グループが大株主になっている会社のことです。

一般的に同族会社とは、特定の親族グループが大株主になっている会社を言います。
上場会社のように株式が公開され、関係のないさまざまな人が株主になっていれば、株主同士でも相互の牽制作用が働き、経営者に対する監視の目も厳しくなります。
一方、利害の一致した株主グループが経営を支配している同族会社では、株主に都合のよい判断が行なわれる可能性があります。特に零細な会社では、出資して会社を設立した人がそのまま社長などの取締役に就任するケースがほとんどですので、株主と経営者が同一人物となり、経営者に対する監視ができません。
そこで税務では、同族会社に対して所定の規制を設けることにより、公開会社との間の課税の公平性を保つことにしています。

同族会社間の不動産売買


税務署からの不動産の時価の調査を受けた場合、適正な価格での取引を立証するのは容易ではありません。 。むしろ、安易な説明では逆効果になる可能性が高いでしょう。
取引価格が適正な時価であることを税務当局に立証するには、多少のコストがかかっても不動産鑑定評価を活用すべきと当事務所は考えます。

低廉譲渡の問題点(個人が会社に売った場合)

「低廉譲渡」とは、売却価額が時価の2分の1未満の場合の収入金額は実際の売買価額ではなく時価とみなされるという規定のことです。

たとえば、時価が1億円の土地を会社へ4千万円で売却した場合を想定しましょう。
これが「低廉譲渡」とみなされると、
・社長・・・1億円の譲渡収入として所得税が課税される。
・会社・・・6千万円の受贈益が計上される。
のようになります。
この際、「低額譲渡」とみなされるか否かのポイントは、不動産取得時の価額ではなく、その土地の時価が適切に把握されているかどうかにかかってきます。

会社が役員に不動産を売った場合

時価より安く売却した場合でも時価より高く売却した場合でも注意が必要です。

  • 時価より安く売却した場合

    会社は適正な時価以外の金額で取引をすることは、税務上認められていないので、安く売っても時価で譲渡したものとして譲度損益が計算され、時価との差額は役員賞与として処理されます。

  • 時価より高く売却した場合

    会社は、あくまで時価で、譲渡したものと考えますから、時価より高く譲渡した部分は、譲渡益ではなく、受贈益として金銭の贈与を受けたように処理されます。しかし、税務上は譲渡益でも受贈益でも同じ益金ですから、結果として、所得に影響はありません。
    しかしこの場合、その不動産の時価が適格に把握でき、税務当局に立証できなければ大損してしまいます。


親族間での不動産売買

親から子へ、祖父母から孫へなど不動産を譲渡する場合に、無償または低い価額で譲り渡すケースです。

この場合には相続税法第7条で、無償であれば子や孫に贈与税が課税されます。 有償であってもその売買価額が時価よりも「著しく低い」場合は時価と売買価額との差額分が贈与があったとみなされ子や孫に贈与税が課税されます。

不動産鑑定評価の必要性

同族会社間での不動産売買には、信頼できる不動産鑑定評価が必要です。

以上のように、同族会社間における不動産売買においては、いかなるケースでも税務署の調査を受ける可能性が高いと言えます。
その際、取引価格が適正な時価であることを立証するのは、決して容易ではありません。また、安易な説明はさらに恣意性があるとみなされる要因とも成り得ます。
追徴の可能性を抑えるためにも、また株主等の利害関係者に対する価格証明としても不動産鑑定士の鑑定評価を取ることをお勧めいたします。

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