不動産の価格の見方の1つに、どれだけ対象不動産が収益を生み出すか、という考え方があり、この見方による不動産価格を「収益価格」と言い、収益価格を算定する方式を収益還元法と言います。
マンションについても、「もし賃貸に出したらいくらで貸せるか」によって収益価格が算出できます。
最近では不動産価格も右肩上がりの時代ではないので、資産価値重視の観点からこの収益価格がいくらになるかが重要になってきています。つまり、これからのマンションの価値は「賃貸に出したらいくらで貸せるか」で決まる、とも言えます。またローン借入額を収益価格以下に抑えれば、ローン破綻のリスクも避けられます。
収益価格は 収益価格=想定年間賃料÷還元利回り で得られます。
想定賃料は情報誌・インターネット・地元業者などから対象マンションの妥当な賃料相場から調べます。
還元利回りは表面利回りを採用していますが、5%以上が望ましいと思われます。
例えば、周辺の家賃相場が15万円の場合、
収益価格=(15万円×12ヶ月)÷0.06=2700万円
となります。
この場合分譲価格は2700万円以上なら高いと言え、下回っていれば安い買いものです。
(不動産鑑定の場合は収益は純収益、還元利回りも償却前と後があります。)
ここで利回りについて見ますと、一般に
・都心部、特に山手線の内側で利回りが高い。
・面積の小さいものほど高くなる。
・面積の小さい都心物件では駅から離れるほど高くなる。
・準都心部のファミリー物件では徒歩8分程度が最も高い。
と言われています。
さて、収益価格から見た買っても良いマンション・いけないマンションの判別はおおよそ次のようになります。
先の式を変換し、還元利回りは
還元利回り=想定年間賃料÷分譲価格
で得られますが、賃料相場と分譲価格との間にはおおよそ次のような傾向が見えてきます。
還元利回り | コメント |
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7%以上 | 投資用としても検討できる。 |
6〜7% | 将来買換えも検討できる。 |
5〜6% | 買うには妥当である。 |
4〜5% | 買うなら、頭金を多く積みたい。 |
4%以下 | 買ってはいけない |
このことから、還元利回り(この場合は表面利回り)が4%以下のマンションは買うことをお勧めできないマンションです。