前ページで触れた『見なし借地権』の具体例は以下の通りです。
「みなし借地権」では、建物所有者である会社側にこのみなし借地権があると言うことで、土地の相続税評価額が20%減額され、更地の評価額は80%で評価されます。

この場合の貸家建付地とみなし借地権との評価額比較は次のようになります。
路線価の借地権割合 |
貸家建付地 |
みなし借地権がある場合 |
50% |
85% |
80% |
60% |
82% |
80% |
70% |
79% |
80% |
対象地の路線価借地権割合が50%地区であれば、相続税評価額が5%軽減されることがわかります。
ここで、固定資産税程度を地代として負担させるだけでは「使用貸借」とみなされてしまいますので地代の額には気を使わなければなりません。
「相当の地代方式」が土地の時価の6%もの高額の地代が必要となるのに比べ、法人が支払う地代が少なくて済むので
所得の分散による節税効果を上げるために、
無償返還の届出+通常の地代方式は有効です。
ただし、法人の株式を評価する場合には、借地権として土地価格の20%を計上しなければならない点に注意して下さい。
また、建物を所有している法人が
大きな赤字を抱えている場合には
、「土地の無償返還の届出」を提出せずに、または、提出している場合には
撤回して、新たに借地権を設定して個人がその借地権を法人に無償で贈与する方法があります。
そうすると、法人には受贈益が発生しますが赤字と相殺できるため、赤字の金額により会社には税金が発生しません。
ただし地代は、《土地評価のおおむね6%》である《世間相場地代》と定めます。
こうしますと、借地権を贈与した土地所有者には課税関係が発生せず、相続時には土地は底地として評価されますので、相続財産を大幅に軽減することができます。
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