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競売物件はなぜ安いの?

● 競売物件とは 不動産の所有者が債務を弁済できなくなった場合、
債権者は抵当権の行使(任意執行)や強制執行によって、
該当する物件を競売するように地方裁判所に申し立てし、
裁判所がその物件を差し押さえて売却して、
その売却代金を債務の弁済に充てるのが競売物件です。

● 価格の決め方 まず、裁判所が物件調査をします。
裁判所の執行官が現場に出向き、誰がどんな権原で住んでいるかなどを調べ、
現況調査報告書に記載します。
次に裁判所の指定する不動産鑑定士が、
その競売物件の特性や法的規制、売却基準価額算出などを評価書に記載します。
上記の2つの報告書に基づいて、裁判所は物件明細書を作成します。
これらの3種類の書類は3点セットといわれ、期間入札の公示資料となります。
その後、執行官と不動産鑑定書士が現地を調査し、
数カ月かけて入札者を募りますが、
その間に居住者や不動産の状況が変化している場合があります。
不動産鑑定士は、役所などの関係する部署をたくさん回って調査を行い、
競売物件の価格を決めます。

● 競売物件はなぜ安いの 一般の市場よりも安いのですが、どうしてでしょう?
まず、物件の内覧できないことが理由に挙げられます。
戸建て・マンション・アパートに限らず、部屋の中を見ることはできないため
入札者は3点セットを見て、物件を判断します。
また、購入した後の物件のリスクは、買主が負担しなければいけないという事も
安い理由のひとつです。
一般的に前の所有者が滞納した家賃なども購入者が支払わなければならないなど、
競売物件はリスクが大きいです。