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不動産の無料査定と鑑定評価の違い

● 不動産業における無料査定とは? 不動産にまつわる用語に、「無料査定」と「鑑定評価」という良く似た言葉が存在します。
その違いとはどんなものでしょう?
まず「無料査定」について見ていきます。
「無料査定」や「価格査定」と呼ばれるこの概念は、
不動産業者が売主から売却を依頼された際に、売り出し価格決定のために算出するものです。
不動産業者が、周辺相場を参考に「意見」として提示するもので、
サービスの一環として行われます。
つまり「無料査定」とは、不動産業者が物件の「売れる価格」を提示したものとなります。

● 不動産業における鑑定評価とは? 一方、「鑑定評価」は、不動産鑑定士が鑑定評価基準に基づいて行う不動産の実証的な評価です。
国家資格である不動産鑑定士資格を持つ者だけが、
独占業務として行うことのできる「鑑定評価」には、高い信頼性や精度が期待できます。
またサービスの一環として行われる「無料査定」とは異なり、
数週間ほどの期間とそれなりの評価報酬が発生します。

● 不動産の無料査定と鑑定評価の違い 「無料査定」と「鑑定評価」にはこうした違いがあるため、利用に適した目的が異なってきます。
例えば、裁判に強い立証資料が欲しかったり、遺産分割のためのものである場合は、
公的な信頼性の高い「鑑定評価」の活用が適しているでしょう。
一方、不動産売買の参考価格が知りたいという時は「無料査定」で済ませることで、
数社の査定額を知ることが可能になります。

このように「無料査定」と「鑑定評価」には、目的や分析方法に大きな違いがあります。
査定額に信頼性や説得性を求めるのであれば、
体系的な知識や技術を持った専門家が多角的に評価をする
「不動産鑑定評価」の利用をお勧めします。