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相続の不動産鑑定における更地の評価とは

● 簡単に算出することができない理由  簡単に算出することができない理由

更地を相続する場合、どのように不動産鑑定評価を行うのか気になるものです。
一般的な土地とは異なり建物などがなく、使用収益を制約する権利がない宅地であるため、特別な方法を用いなければ不動産鑑定評価額を算出できないというイメージを持っている人もいるのではないでしょうか。
相続時に限らず、不動産鑑定評価の中で更地の依頼が多い傾向にありますが、簡単ではありません。
なぜなら、道路との接し方によって異なるからです。
道路に接している一方路と角地とでも額が異なります。
さらに、面積によっても変わってきたり、袋地状だったり道路に全く面してしない無道路地の場合もあるなど、条件によって変動しやすいです。
また、建物が建っている土地を更地とみなして額を求めるケースがあります。
この場合は独立鑑定評価という方法で求めていく必要があります。
このように、様々なケースがあるため、簡単に求めることができないのです。


● 求め方について 
求め方について

更地は取引事例比較法や収益還元法、原価法で求めたものを関連付けて、公示価格や基準地価格をベースに決定します。
取引事例比較法は比準価格を求めることができ、収益還元法は収益価格、原価法は積算価格を算出することが可能ですが、専門用語が難しいため詳しい内容がわからない人が多いでしょう。
取引事例比較法は一般的な不動産売買の取引相場と比べた時にいくらで取引されるのかを求めることができます。
一つの事例だけでなく、多数の取引事例を収集しなければなりません。
また、その事例には3つの要件が揃っていなければ使うことができないとされています。
収益還元法は更地の場合には土地残余法という求め方をするのが一般的です。
これは、土地と建物が一体として生み出した収益から建物分の稼ぎを引いて残りを土地が稼いだ収益とし、それを利回りで割って算出します。
原価法は再び作った時にいくらかかるのかを求めていくものですが、更地は適用しないケースが多いため、建物の積算価格を求めていくことになります。
近隣地域の土地と比較して面積が大きい場合は開発法に基づいて算出した試算価格を比較して決定するのが一般的です。
どの方式を用いて算出するのかは相続するもの現状を把握しなければわかりません。
専門家に相談し、適切な方法で真の価値を求めてもらうことが大切です。