HOME > コラム・不動産鑑定評価をもっと良く知るために > 相続に関係する不動産鑑定評価 > 相続税の算定基準となる「時価」と不動産鑑定評価
● 時価で決まる相続不動産の価値
不動産相続の場合、その時点での「時価」によって価値が評価されるのが一般的です。
不動産は、その種類や状況に沿って不動産鑑定評価がなされるので、
相続前の不動産価値とは評価結果が異なることも、可能性として十分にあります。
まず、相続の対象となる不動産の価値を知るには、時価を確認する必要があります。
しかし、時価は一般人が自力で調べられるものではまずないので、
基本的にはプロの不動産鑑定士に依頼するのが確実です。
不動産鑑定評価は不動産の市場価値で決められることもありますが、
それだけを基準にして時価が決定づけられているわけではありません。
また、その土地の立地環境や状況などに応じて、価値が大きく変動することも多々あります。
例えば立地条件の悪さ、奥行きがない土地、土壌汚染が認められる、道路幅が異常に狭いなど、
こうした条件が見られる場合は、不動産鑑定評価が下がる可能性は避けられません。
● 相続税算定基準とは
相続税算定基準とは、相続対象となっている不動産を時価で評価し、
どのくらいの相続税を課税する必要があるのか、細かな項目で審査するものです。
不動産鑑定評価と相続税算定基準はどちらも、
厳密には死亡するその日までは正確な価値を知ることができないものであり、
故人の生前と比べると時価が変動している可能性もあります。
さらに、平成27年1月以降の相続税法改正によって、相続税率と基礎控除額が改正されたため、納税対象者は増えたことになります。
しかし、土地の種類や不動産物件を有効活用すれば節税対策を行うことが可能なので、
利用する可能性が少ない土地を相続したが、相続税の負担を減らしたいという場合は、
ぜひプロの不動産鑑定士に不動産の正確な鑑定を依頼することをおすすめします。
相続は様々な基準や決まりごとがありますが、安易な判断で行動すると、トラブルに巻き込まれる可能性もあります。
相続時や節税対策を考えている場合は、必ず信頼ある不動産鑑定士に相談するようにしましょう。