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相続における不動産鑑定評価の手法とは

● 求め方の種類  求め方の種類

相続時に不動産鑑定評価が必要なケースがありますが、専門的な知識が必要になるため不動産鑑定評価士に依頼するのが一般的です。
依頼主は専門家にお願いするだけですが、手法などを知っておくと不動産鑑定評価士との打ち合わせの際もスムーズに進みます。
相続の手続きに慌てることがないように、用いられることの多い手法について知っておきましょう。
一般的に、土地の価格や事例を元に調整して求めていきますが、主に4つの手法があります。
一つは、取引事例比較法です。
名前の通り、周辺の地域であった取引事例を収集して適切な事例を選び、売買価格に応じて修正や補正をします。
さらに、地域要因や個別的要因を比べて価格を比較考量して具体的な価格を求めていきます。
このようにして求められたものは比準価格というため、覚えておきましょう。


● どれが最適なのかは専門家が決める どれが最適なのかは専門家が決める

二つ目は収益還元法です。
これは、将来期待される純収益の現在価値の総和を求めていく方法で、年間純収益÷利回りで算出します。
この方法で求めたものを収益価格と言います。
主に賃貸マンションなどを売買する際に使用されるため、居住用物件には向いていません。
三つ目は鑑定評価額です。
これは、取引事例比較法で求めたものと収益還元法で求めたものを比較して求めるものです。
四つ目は原価法で、定番手法だと言われています。
再調達原価をもとに減価修正を行って求めていく方法です。
これによって求められたものは積算価格といい、再調達原価から減価修正を引いて算出します。
この時の原価とは、建物であれば建築費、土地は取得原価や増成費のことです。
修正になる要因には老朽化や陳腐化、近隣地域の衰退などを合わせて求めていきます。
またこれ以外にも耐用年数に基づいた手法や観察原価法を併用することも少なくありません。
このように様々な方法を用いますが、どれが最適なのかは専門家が判断をします。
依頼費は必要ですが、不動産会社が行う簡易的な査定よりも精度が高く、相続時の手続きだけでなく、適正な額で売却したい場合にも役立つでしょう。
信頼できる専門家を選び、お願いしてみてはいかがでしょうか。