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相続の不動産鑑定評価における実測について

● 必ず実測しなければならない 必ず実測しなければならない

相続する土地全てを測量し、不動産鑑定評価を行うケースはあまりありません。
土地の相続税評価は、財産評価基本通達で課税時期の実際の面積によることとされています。
なぜなら、登記簿に書かれている地積が本当の地積と異なることがあるため、台帳地積と実測の面積が違うものは実測の方が採用することになっているからです。
しかし、全ての土地を実測することは難しく、必ず実測しなければならないというわけではありません。
実測が必要になるのは、実地調査や航空写真による測定、平均的な縄延割合の適用などの方法では把握できないものです。
また、台帳地積では他の土地との不動産鑑定評価の均衡を著しく失うものと認められているものに関しても実測が求められます。

● 縄伸びと縄縮みについて 縄伸びと縄縮みについて

土地を不動産鑑定評価する際に、縄伸びや縄縮みという言葉を聞くことがあるでしょう。
縄伸びは縄の結び目の間隔を大きくすることで、実際の地積よりも小さく申告するものです。
一方で縄縮みは逆に間隔を小さくして測量し、実際よりも大きい面積で申告することを言います。
このような言葉ができた背景は、豊臣秀吉の時代から始まったとされ、現在でも登記簿に残っていることがあるようです。
縄縮みは相続税額も上がってしまいますが、縄伸びはお得になるイメージがあるでしょう。
縄伸びの事実を知りながら実測せずに申告した方が評価額を抑えることができるため、実際の面積とは異なっても登記簿上の地積で申告したいものですが、税務調査で指摘される恐れがあるため、注意しなければなりません。
実測したことが証明される資料や測量図、購入時の図面などで地積が確認できる場合、指摘される可能性が高いです。
また、相続後に売却を考えている人もいるでしょう。
売却時に実測と登記簿上の面積が違うことが判明し、相続税の納税額が変わる時には修正申告をしなければなりません。
納税額が減ることもありますが、その際は更生の請求をしてください。
納税額の申告は正しく行わなければなりません。
少しでも節税したいと考える人が多いですが、実測したものを申告するようにしましょう。