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相続で知っておきたい不動産鑑定評価書の読み方とは

● 読み方のポイント 読み方のポイント

不動産鑑定評価を依頼すると不動産鑑定評価書を作成してもらうことができます。
この不動産鑑定評価書は相続時でも活用することが可能です。
例えば、相続人同士での争いや相続税の申告時です。
公的な効力を発揮し、裁判所でも提出できる書類ですが、見慣れていない素人が読むと見方がわからず混乱するでしょう。
読み方を理解することができれば、様々な不動産取引でメリットになります。
読み方のポイントの一つは言葉です。
不動産鑑定評価書でよく使われる価格と賃料ですが、販売する場合には価格、賃貸する場合に賃料として鑑定評価額を記載します。
この鑑定評価額というのは、不動産鑑定士が調査と分析を行なって決定した評価額のことです。
言葉の意味を知っているだけで書類が読みやすくなるでしょう。

● 記載内容の中で重要なポイント 記載内容の中で重要なポイント

鑑定評価の条件も重要なポイントです。
条件は対象となる不動産を確定するための確定条件、依頼目的に応じた要因条件を指します。
様々な条件がありますが、現状見言えている状態で考える場合と、見えている実際の姿とは違う状態を想定するという2種類があり、確定条件は今見えている状態で考える場合、要因条件は見えている姿と異なる状態を想定したものです。
どちらも妥当性の根拠を書類に記載しなければなりません。
また、書類は依頼目的に対して説得力を持っている内容かどうかを見てください。
評価額が記載されていても、その過程や理由に納得できない場合は鑑定士に説明を求めましょう。
鑑定評価書は価額を決定した理由がとても大切な部分です。
記載事項には決定した理由を記載する必要があり、ルールとして価格形成要因の分析や手法、試算結果及びその調整などを書かなければなりません。 価格形成要因や手法などにもそれぞれ種類があります。
価格形成要因は一般的要因、地域要因、個別的要因の種類があり、代表的な手法は取引事例比較法取引事例比較法、収益還元法収益還元法、原価法原価法です。
これらの中でどれが記載されているかチェックしてみてください。
このように、不動産鑑定評価書には読み方のポイントがあります。
読み進めていく上でわからないことがあれば専門家に相談すると安心です。