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相続の不動産鑑定評価における時点修正とは

● 時と共に不動産の価値は変わる 時と共に不動産の価値は変わる

相続時に不動産鑑定評価を行うことがあります。
これは、一般的な査定とは異なり、様々な観点から総合的に市場価値を算出するものです。
相続する際に査定額をもとにすると損することがあったり、納税すべき相続税の額が間違ってしまうことがあるため、必ず国家資格を持った専門家に依頼しなければなりません。
専門家に依頼すると、一般的な要因、地域要因、個別的要因の3つのポイントを考慮して鑑定評価書を作成してもらえます。
不動産の価値は一定ではなく、様々な要因が関連しているため、素人では真の価値を求めることができません。
また、不動産鑑定評価は時点修正をすることができます。
なぜなら、不動産鑑定評価で算出した額が将来的にずっと有効なわけではないからです。
時が経つと時点修正を行わなければならないケースがあります。
相続時にも必要になる場合があるため、時点修正について知っておくことが大切です。

● 地価が変動したときに必要 地価が変動したときに必要

時点修正が必要になる場合は様々ですが、何らかの要因によって地価が変動した時です。
特に比較法を用いられた時に修正が必要になります。
取引事例比較法や賃貸事例比較法などの種類がありますが、これは類似したものと比較して判断されたものであり、経済状況が変化するとその価格を参考にすることができません。
例えば、バブル崩壊です。
地価が大きく下落した時、価格の比較対象にしていた不動産も時点修正が必要になるため、過去に比較した事例が通用しなくなってしまうのです。
修正の仕方は変動率を求め、鑑定した時の価格に乗じるのが一般的ですが、最初の額から10%ほど下がる場合があります。
そのため、売却価格を決めるときは注意しなければなりません。
妥当だと思っていた金額が違う場合があります。
また、必要以上に価格を下げると損をすることもあるため、常に真の価値を把握しておくためにも、大きな環境変化がなければ1年ほどを目安に修正をするといいでしょう。
このように、不動産の価値は変動します。
相続前に鑑定が行われていた場合、それが適正かどうかを調べるためにも修正を依頼してみてはいかがでしょうか。