HOME > コラム・不動産鑑定評価をもっと良く知るために > 相続に関係する不動産鑑定評価 > 不動産の生前贈与を取り戻す遺留分減殺請求とは
● 遺留分減殺請求とは?
兄弟姉妹がいると、相続や生前贈与で問題が起きることがあります。
仲の良い家族でも一人だけ生前贈与で土地をもらっていたり、自分だけが全ての財産を取得したい場合があるとトラブルに発展しやすいです。
実際に、特定の兄弟姉妹が生前贈与を受けており、財産を取り戻したいと考えている人もいるのではないでしょうか。
その場合は、遺留分減殺請求という制度が適用できる可能性があります。
遺留分減殺請求とは、特定の相続人に遺産のほとんどを譲ると遺言を残していた場合など、特定の人だけに有利になるよう分配が行われる時に、自分の最低限の取り分を確保できるという制度です。
一定のつながりがある人に対しては、遺留分として最低限の遺産を取得することができます。
これは自動的に適用されるものではなく、自分から申し出なければなりません。
自分の主張が有利になるように、建物や土地が関係していれば不動産鑑定評価を依頼してください。
一般的な業者は売買価格しか査定できないため、法廷では効力を発揮しません。
必ず、資格を持っている不動産鑑定評価士に依頼することが大切です。
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手続きの流れと注意点
遺留分減殺請求の意思表示は内容証明郵便を利用してください。
口頭やメール、手紙でも可能ですが、話し合いでまとまらないことも多く、裁判所で請求せざるを得ないケースもあるため、内容証明郵便を利用するのが一般的です。
相手との話し合いがまとまらなければ調停、訴訟といった順番で手続きが進んでいきます。
裁判となれば法律的な知識が必要になるため、専門家に相談した方が成功率は上がります。
また、自分の主張を通すために不動産鑑定評価などがあればさらに有利になるでしょう。
しかし、注意しなければならないことがあります。
それは、誰でも遺留分減殺請求ができるというわけではないことです。
民法1028条では兄弟姉妹を除く法定相続人に遺留分の権利を認めているため、兄弟姉妹の代襲相続人には権利がありません。
また、実の子出会っても認知されていない非嫡出子や死亡時点での配偶者ではない内縁の妻、愛人も権利がないため注意してください。