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相続時の不動産鑑定評価における間口の狭い土地

● 間口の狭い土地 間口の狭い土地
間口とは、その土地が道路に面している部分のことです。
一般的に、間口の狭い土地は住まいとして使い勝手が悪いため、相場よりも安い価格で取引される傾向にあります。
相続税を計算するにあたって、土地の不動産鑑定評価が必要です。
間口が狭い土地の不動産鑑定評価について知っておきましょう。
通常、間口の狭い土地は相続税評価額の中に加味するため、間口の広狭に応じて相続税評価を下げる補正が行われます。
この比率を間口狭小補正率といいます。
しかし、間口の狭い土地を店舗として使っているのであれば、業態的には成り立つ場合があるため、補正の対象にならないこともあります。
例えば、道路に3メートルほどしか面していない土地をお持ち帰りが可能な店舗として商売をしていたり、入り口に看板を掲げて誘導していれば隠れ家的な店舗としての用途には使えます。
そのため、繁華街地区や普通商業、併用住宅地区では間口が狭い土地出会っても商売に支障をきたさないと判断され、補正の対象にならないのです。

● 補正率は正確に 補正率は正確に
大型車両が通行することがあるビル街地区や工場地区では間口狭小補正率が高めに設定されています。
間口の距離と比較して奥行きが長すぎる土地は奥行長大補正をかけて、さらに相続税評価額を下げることも可能です。
また、建築基準法43条1項では「建築物の敷地は、道路に2メートル以上接しなければならない」と定められており、間口が2メートル未満の土地には建物を建てる事ができません。
取引価格も下落するでしょう。
このような実態を反映していない補正率の甘さは、相続税の納め過ぎにもつながります。
相続税を収め過ぎた場合は、更正の請求で還付を求める事が可能ですが、手間と時間がかかるため注意しなければなりません。
また、現地を測定していない土地もあるでしょう。
図面を作成しておらず、正確な補正ではなく、異常に補正率が高くなっているケースもあります。
間口の狭い土地は、図面を作成して正確な補正率で相続税を収めることが大切です。