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セットバックが必要な宅地の相続税の不動産鑑定評価とは

● 70%下がることもある  70%下がることもある

土地や建物の相続時に、セットバックと言う言葉を聞くことがあります。
不動産関連でよく用いられる言葉ですが、相続を経験したことのない場合や専門知識がない人は初めて聞く言葉でしょう。
初めて聞いたときにも話が理解できるように、どのような意味があるのか知っておくことが大切です。
セットバックとは、建物の上の部分をずらして下部より後退させることです。
そうすることで、不動産鑑定評価額を下げることができます。
全ての土地、建物に適用することはできませんが、適用できる場合は通常の不動産鑑定評価よりも70%ほど下げることができるのです。
不動産鑑定評価が下がれば、その分、相続税の納税額も下がります。
知らなければ損をするため、適用できるかどうかを確認した上で評価することが大切です。


● 注意点も知っておこう 
 注意点も知っておこう

セットバックは評価額を下げることができるというメリットだけでなく、注意点もあります。
それは、小規模宅地のような特例の場合、大幅に下げることができない点です。
また、セットバックが既に適用されている場合も評価額を下げることはできません。
中には、セットバックが行われても評価の対象にならないケースがあります。
例えば、不特定多数の人が通行できる公共道路や所有者が私的に使っていない場合です。
このようなケースは、セットバックされた部分の土地がゼロ円となり、評価しないということになるのです。
逆に、道路用地としていても自転車や自販機を置いていたり、一部でも駐車場として使っていればセットバックされたことにはなりません。
他にも、適用される部分には容積率や建蔽率を求めるときに、敷地面積から省かれます。
建物を建築できないだけでなく、門や塀も建てられません。
このように、メリットもあれば注意点もあるため、わからなければ専門家に相談することが大切です。
相談するときは不動産鑑定評価士に依頼してください。
資格を取得していない一般業者は、売買価格を提示できても、相続税の算出に必要な評価額を求めることができないからです。
正しく手続きをするためにも依頼先の選定には気をつけてください。