HOME > コラム・不動産鑑定評価をもっと良く知るために > 相続に関係する不動産鑑定評価 > 未登記建物の相続での不動産鑑定評価について
● 未登記建物とは
未登記建物は、登記が行われていない建物のことを言います。
未登記建物の中でも、登記ができるのに登記をしていない建物と、登記をしている建物に表示変更があったが変更登記していない建物、登記をしている建物に権利部に変更があったが変更されていない建物の3種類に分けることができます。
登記が義務化されている建物は、登記ができるのに登記をしていない建物と、登記をしている建物に表示変更があったが変更登記していない建物の2つです。
登記が義務化されている建物の登記が行われていなければ、10万円以下の過料になると法律で定められています。
このような未登記建物を相続する予定がある人もいるのではないでしょうか。
未登記建物を相続する際は、登記申請を行わなければなりません。
例えば、表示変更があった未登記建物を相続する場合は、表題登記を申請します。
表題登記を申請するにあたり、所有権を証明する書類が必要です。
その必要書類の一つは、建築確認済証及び建築業者発行の工事完了引渡証明書です。
この書類がない場合は、固定資産税課税台帳登録事項証明書という評価証明書が必要になります。
● 正確に相続を行うために
未登記建物そのものは、登記なしでも相続することができます。
相続人が複数いる場合、遺産分割協議をして、誰が何をどれくらい相続するのかといった分配を決めますが、未登記建物は適正な価値、価格がわかりません。
そのため、正確に相続が行われていないことに繋がってしまうのです。
適切に相続をするためには、不動産鑑定評価が必要になります。
相続後に売却を検討している人も、不動産鑑定評価を行いましょう。
不動産鑑定評価をしなければ、適正価格で売却することができません。
これは、購入者のリスクをなくすことにも繋がります。
また、未登記建物は土地の担保評価額が落ちます。
一般的に、不動産を購入する際は住宅ローンを組む人が多いです。
銀行は土地や建物を担保にしようとしますが、未登記建物だと抵当権がつけられないだけでなく、土地の上に未登記建物があることで、土地の担保評価額が劇的に落ちてしまうのです。
購入者は未登記建物であるために、購入資金を一部しか借りられないという事態になる可能性があるため、不動産の相続時は不動産鑑定評価や登記は必ず行うようにしてください。