HOME > コラム・不動産鑑定評価をもっと良く知るために > 相続に関係する不動産鑑定評価 > 不動産の生前贈与とは
● どちらがいい方法なのか
自宅は生前贈与がいいのか、自分が亡くなった後に相続した方がいいのか迷う人も少なくありません。
お家や土地など資産価値の高いものは、税金の負担を減らすために生きている内に無償移転するケースが多いですが、状況によって異なります。
その判断は、不動産鑑定評価を行うとわかりやすいです。
土地や建物は一般的に生前贈与も相続も時価評価ではなく相続税評価額という方法を用いて計算をすることになります。
土地、建物それぞれの不動産鑑定評価を行いますが、土地の場合は路線価もしくは倍率方式です。
路線価は土地に面している道路に付けられている価格を言い、補正率をかけて不動産鑑定評価額を算出します。
一方、倍率方式は路線価に該当しない土地に対して行うもので、固定資産税評価額を元に計算をしていきます。
固定資産税は市区町村から送られてくる固定資産税課税明細書でわかります。
●
状況によってお得になるかどうか異なる
建物の場合は固定資産税評価額に1.0掛けて算出するため、基本的には固定資産税評価額がその建物の評価額になります。
しかし、賃貸物件の場合は注意してください。
マイホームなど自分が住む物件よりも評価額が下がります。
真の価値を算出し、どれくらいの相続税がかかるのかがわかれば、生前贈与をするべきか、相続をした方がいいのかの判断材料となるでしょう。
状況によって異なるため、どちらがメリットがあるのかは一概に言えません。
しかし、価格が変動するものは生前贈与の方がお得になる可能性が高いです。
同じ価値のものは基礎控除の高い相続の方がお得ですが、価値が変わりやすいものは生きているうちに譲った方がいいかもしれません。
なぜなら、いつ相続が発生するのか判断することが難しいからです。
生きているうちに譲ると不動産取得税や登録免許税が課税されるといったデメリットがあったり、税務署に認められないケースもあるため、それぞれの特徴を理解した上で決定することも大切です。
どちらにするべきか迷うケースが多いですが、専門家に相談したり家族内で話し合って最善の決断をする必要があります。