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相続による使用貸借されている土地の不動産鑑定評価とは

● 賃貸借との違い 賃貸借との違い

土地の相続時に使用貸借という言葉を聞くこともあるのではないでしょうか。
賃貸借という言葉はよく聞きますが、使用貸借はあまり聞かないでしょう。
これは、タダで貸し借りをするときに用いられる言葉です。
賃貸借は、賃料をやりとりすることになりますが、使用貸借は貸し借りをする際の対価がないということになります。
例えば、子供が親の所有する土地にマイホームを建てることになったとき、子供から地代を取らないでしょう。
無償で貸すことになるため、使用貸借になります。
しかし、使用貸借を使用した土地は、相続税の問題が起きることが多いです。
第三者間の土地の賃貸借は、毎年地代を支払い、新たに賃借する際は権利金を支払いますが、親子関係になると地代だけでなく権利金も支払うことがないため、子供は親から借地権という財産を贈与されたとみなされることもあります。
土地は相続時に不動産鑑定評価をしますが、使用貸借かどうかによって変わってくるため注意してください。

● 条件によって評価が異なる 条件によって評価が異なる

使用貸借の場合、相続税は課税の対象になります。
通常、第三者に貸している土地は、不動産鑑定評価をする際に貸宅地として一定の減額が可能ですが、地代を支払わない使用貸借は更地扱いになり、減額の対象にならないのです。
子供が建てた建物が貸家であっても更地扱いになります。
それが子供名義の賃貸住宅であっても同様の扱いです。
しかし、隣接する土地によっては不動産鑑定評価に影響を与えることもあります。
例えば、自宅の敷地と親族に貸している土地が隣接しているときです。
この場合、自宅の敷地も貸している土地も自用地として不動産鑑定評価をすることになるため、相続税は両方の土地を合わせた評価になります。
賃貸借を目的とした物件が建っていても扱い方は変わりません。
また、被相続人が持っている土地と使用貸借で借りている土地を合わせた区画の上に被相続人のお家が建っている場合は、被相続人が持っている土地のみ不動産鑑定評価を行うことになります。
このように、様々な決まりがあります。
素人では判断することが困難なため、専門家に相談してみてはいかがでしょうか。